こんにちは、Internet Explorer サポート担当の原です。
本日は、日本のお客様から比較的お問い合わせを多くいただいている、Internet Explorer 11 における文字列表示の変更点を紹介します。
Internet Explorer 11 (以下、IE11) において、高 DPI 対応のためにすべてのドキュメント モードでナチュラル メトリックが有効に変更されました。
ナチュラル メトリックでは、解像度に依存せず読みやすいテキストを表示するため、ピクセルにまたがる自動的な間隔調整を行います。
そのため、フォントの表示サイズが一定とはならないことがあります。
また、フォントの表示サイズの調整が行われる結果、すべてのコントロールの表示においても、微妙なサイズの差異が生じます。
例えば、以下のテキスト ボックスの表示を比較すると違いがおわかりいただけるでしょう。このテキスト ボックスは、アンダースコア (_) をしきつめています。
- IE11
- IE10
ナチュラル メトリック対応の詳細については、以下のドキュメントでも説明していますのでご覧ください。
高 DPI のサポート
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ie/dn265030.aspx
テキスト レイアウトがナチュラル メトリックを使用する
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ff986079.aspx
なお、"ローカル イントラネット" および "コンピューター" ゾーンで HTML を表示している場合は、互換性の観点から、IE9 標準モード以降のドキュメント モードでのみナチュラル メトリックを使用します。
対応策について
企業内の Web サイトの場合は、"ローカル イントラネット" ゾーンで表示することにより、IE9 や IE10 と同様の動作になります。
インターネットに公開している Web サイトなど、"ローカル イントラネット" ゾーンで表示することができない場合は、X-UA-TextLayoutMetricsを使用してナチュラル メトリックを無効にできます。
具体的には、HTTP 応答ヘッダー、もしくは meta タグで以下のように指定します。これらのヘッダーや meta タグを指定しても、IE10 以前の従来の動作に影響はありませんので、ご安心ください!
- HTTP ヘッダー
X-UA-TextLayoutMetrics: gdi
- meta タグ
<meta http-equiv="X-UA-TextLayoutMetrics" content="gdi">
[2014 年 4 月 24 日更新]
2014 年 4 月のアップデートでリリースしました IE11 の "エンタープライズ モード" と合わせて設定することで、従来のアプリケーションとの互換性の維持が期待できます。
"エンタープライズ モード" の詳細は、以下のドキュメントをご参考ください。
エンタープライズ モードとは
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn640687.aspx
ナチュラル メトリックを無効にすることでフォントのレンダリングの問題を解決する
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn640697.aspx
最後に IE11 と IE10 の各セキュリティ ゾーンにおける、ナチュラル メトリックの動作について表でまとめました。
- IE11
ドキュメント モード | インターネット | イントラネット | 信頼済みサイト | 制限付きサイト | コンピューター |
IE9 標準以降 | 有効 | 有効 | 有効 | 有効 | 有効 |
IE8 標準以前 | 有効 | 無効 | 有効 | 有効 | 無効 |
- IE10
ドキュメント モード | インターネット | イントラネット | 信頼済みサイト | 制限付きサイト | コンピューター |
IE9 標準以降 | 有効 | 有効 | 有効 | 有効 | 有効 |
IE8 標準以前 | 無効 | 無効 | 無効 | 無効 | 無効 |
それでは、次回もよろしくお願いいたします!