こんにちは、Internet Explorer サポート担当の原です。
Internet Explorer (IE) における過去の大きな変更点を中心に、互換性に影響する情報をおさらいしていきます。
第 2 弾は、Windows 7 の IE8 以降で実装している Smart WPAD 機能の紹介です。
Smart WPAD 機能によるプロキシ自動構成の効率化
Windows 7 の IE8 以降、Network Location Awareness (NLA) サービスによって認識された個別の論理ネットワークごとに、WPAD 情報を管理しています。
NLA サービスは、認証するドメイン コントローラー、利用するデフォルト ゲートウェイ、無線 LAN アクセス ポイントなどの情報により論理ネットワークを識別します。
新しい論理ネットワークに接続する際に、インターネット オプションの LAN の設定で [設定を自動的に検出する] が有効になっている場合、DHCP サーバーへ WPAD の取得を行います。
IE は、論理ネットワークごとに実際に WPAD が使用可能なネットワークかどうかの情報をキャッシュし、30 日間保持します。
そのため、一度 WPAD が使用できないネットワークと判断された場合、そのネットワークに対して 30 日間は WPAD を使用しないように動作します。
この動作は、複数ネットワークを切り替えて使用するような環境で不必要な WPAD のクエリーが発行されないように調整し、ネットワーク負荷の軽減および高速化をはかるための機能です。
例えば、モバイル PC などを持ち歩き、外出先の様々なネットワーク環境に接続するような場合に真価を発揮します。
なお、頻度として稀と考えられますが、ネットワークの管理者が WPAD の構成を変更した場合、新しい構成がすぐに反映されない可能性があります。
すぐに反映したい場合、WPAD 情報のキャッシュのレジストリ HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Wpadを削除します。
それでは、次回もよろしくお願いいたします!