こんにちは、Internet Explorer サポート担当の原です。
Internet Explorer (IE) における過去の大きな変更点を中心に、互換性に影響する情報をおさらいしていきます。
第 3 弾は、IE9 以降で実装しているネットワーク パフォーマンスの向上を狙う機能の紹介です。
キャッシュ機能の向上
IE9 以降、キャッシュをより効率的に使用するための実装の見直しと変更を行っています。
Caching Improvements in Internet Explorer 9 (英語)
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2010/07/14/caching-improvements-in-internet-explorer-9.aspx
特に、"Heuristic Cache Improvements" の動作により、RFC 2616 に合わせた動作を取るよう改良しており、従来の IE と比較して IE9 以降ではできる限りキャッシュを有効活用します。
この影響により、静的なリソース (スクリプト ファイルや Flash コンテンツ) を Web サーバー側で更新しても、IE で古いコンテンツが表示されてしまうというお問い合わせが多いです。
対応策としては、一定の頻度で更新を行うリソースについて、HTTP 応答ヘッダーの "Expires" や "Cache-Control: max-age" を使用して適切な有効期限を指定します。
また、IE のインターネット オプションの [全般] タブ [閲覧の履歴] の [設定] から、キャッシュの設定を [Web サイトを表示するたびに確認する] に変更する方法も有効です。
ただし、キャッシュを有効活用することによる高速化のメリットを失いますので、可能であれば Web サーバー側の対応策をおすすめします。
ネットワーク接続の向上
IE9 以降では、ネットワーク パフォーマンスの向上を狙うため、バックグラウンド接続を行う機能が追加されています。
具体的には、同じホストに対して、バックグラウンドで TCP 接続をプールするため、ほぼ同時に 2 つの connect を行います。
つまり、TCP 接続を確立する際の遅延を回避するため、実際に TCP 接続を使用するかしないかにかかわらず、予備の TCP 接続を準備し、パフォーマンスの向上を狙うのです。
Internet Explorer 9 Network Performance Improvements (英語)
※ Faster Networking through Parallelism あたりです
この影響により、ご利用のセキュリティ製品や中間機器の動作に不都合が生じる場合は、以下のレジストリでバックグラウンド接続を無効にできます。
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キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
名前 : BackgroundConnections
種類 : REG_DWORD
値 : 0 (無効)
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それでは、次回もよろしくお願いいたします!